ニーダブル・スパを代表する香りは、脳波の感性スペクトル解析によって選ばれたローズマリーとレモングラスです。今回のリニューアルでお客様により心地よくヘッドスパを楽しんでもらうため、香料、ハーブについて原料から見直しました。よく香水では最初に香る順にトップノート、ミドルノート、ラストノートと言われますが、香りはたとえボトルの中にあっても徐々に失われていきます。アラン・コルバンは『においの歴史』の中で、「香水とは、語源から言うと、煙となって消えてしまうもののことである」と言っています。そこで ヌースフィットでは今回のリニューアルで、より頻繁に使用されるシャンプー、コンディショナーについては、空気に触れにくいデラミ容器(*)を採用し、窒素充填することにしました。
ニーダブル・スパに配合されているオイルやエキスは次のものです。
原料名 | 配合目的 | スキャルププレクレンズ | エマルションクレンズ | オイルクレンズ | シャンプー | コンディショナー | アクティベーター | カームフィニッシュ |
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ローズマリー油 | 着香剤、油脂剤 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
レモングラス油 | 着香剤、油脂剤 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
ラベンダー油 | 着香剤、油脂剤 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
ユーカリ油 | 着香剤、油脂剤 | 〇 | 〇 | |||||
ウイキョウ油 | 着香剤、油脂剤 | 〇 | ||||||
アルモンド油 | 油脂剤 | 〇 | ||||||
カミツレエキス | 保湿剤 | 〇 | 〇 | |||||
マヨラナエキス | 保湿剤 | 〇 | 〇 | |||||
タイムエキス | 保湿剤 | 〇 | 〇 | |||||
ニンジンエキス | 保湿剤 | 〇 | ||||||
ボタンエキス | 保湿剤 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
フユボダイジュエキス | 保湿剤 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
ヒキオコシエキス | 保湿剤 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
メリッサエキス | 保湿剤 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
海藻エキス | 保湿剤 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
スクアラン | 油脂剤 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
ホホバ油 | 油脂剤 | 〇 | ||||||
シアバター | 油脂剤 | 〇 |
ローズマリー
レモングラス
ラベンダー
ユーカリ
ウイキョウ
スィートアーモンド
カミツレ
マヨラナ
タイム
ニンジン
ボタン
フユボダイジュ
ヒキオコシ
メリッサ
海藻
スクアラン
ホホバ
シアバター
「香りの都」と呼ばれるグラース。南仏プロヴァンスの映画祭で有名なカンヌにほど近い内陸部にあります。無臭の体と並外れた嗅覚を持つ主人公を描いたパトリック・ジュースキントの小説『香水 ある人殺しの物語』の中で、1700年代中頃のグラースは次のように描かれています。
めだたないで泰然自若としたその町こそグラースの町であった。この数十年来、芳香物や香水、香油の生産と取引で知られている。ジュゼッペ・バルディーニはこの町の名前を口にするとき、夢見るような目つきをしたものだ。匂いの聖地だと言った。香水調合師にとって約束の地であって、ここで名を成してこそ押しも押されもしない名手たるもの。
また、人間がなぜ知らない匂いを一瞬で判別できるのかを、独自の理論と手法で追究する科学者ルカ・トゥリンを描いたドキュメンタリー『匂いの帝王』の中では、以下のように説明されています。
「グラースは」とトゥリン。「ニースから二五キロ、海岸から一五キロ離れた、カンヌのすぐ背後にある街だ。一九世紀はじめは革製品、特に手袋の製造が盛んだったそうだ。昔は手袋に香りをつけていた。病気は悪臭によって運ばれてくると信じられていたからだ。腸チフスを防ぐために、城の床にはタイムなどの香辛料がまかれていたんだ。だから、イタリア出身のアントワーヌ・シリという男が天然香料の蒸留所――グラースは花の栽培にうってつけの気候なんだ――を開いたのも、手袋に香りをつけるためだった。シリは水蒸気蒸留の特許を取得した。アントワーヌ・シリ商会がはじめた水蒸気蒸留法はきわめてすぐれていたから、グラースで香料の生産が盛んになって、突然、グラースは世界の香水の都になったんだ。垂涎の的の高価な香水の分子は、ほとんどすべてグラースでつくられるようになったんだよ。それが長い間続いた。
グラースの街並み
小説『香水』とは別の話ですが、サン=テグジュペリの名作『夜間飛行』に触発されてつくられた香水の話も有名です。
『匂いの帝王』と『においの歴史』
香料やハーブ類は、人にリラックス効果を与えたり、殺菌作用や創傷治癒作用があったりする一方で、人によってはアレルギー作用を起こさせることがあります。これはニーダブル・スパでもあり得ます。もしニーダブルの施術中や施術後にかゆみや刺激を感じたら、使用をやめ、皮膚科医等にご相談されることをお勧めします。香料や植物エキスに限らず、化粧品に含まれる様々な成分、たとえば防腐剤や油脂類、界面活性剤など、ほとんどの原料は人によっては刺激やアレルギーを起こす可能性があります。自然のものだったら安心、化学的に合成されたものは危険ということは、まったくありません。ニーダブル・スパのシャンプーやコンディショナーでは、刺激性の低いと言われる界面活性剤を使用し、カチオン界面活性剤も配合量を減らすなど、できるだけマイルドな処方にしていますが、個人個人の肌によっては刺激やアレルギーが生じる可能性は否定できません。