2018AsiaBeautyExpo
                                                    液体窒素をチェリーとキュウリにかけているところです。
2018/08/04
板橋戸田花火大会便乗!「ヌースフィット花火大会」 パート3
▲私の料理について 

→→ パート1 手づくりの花火パーティ 

 妻のコンセプトであった「段取りよくつくる」というのは、当たり前のようであって、もっとも素人にはできないプロの要件ではないでしょうか?特に20人分という、通常はつくらない量を、何種類も、ある日時に合わせてつくるということは、ほとんどの人が経験しないことです。案の定、私の場合、自宅に忘れ物をするなど、いろいろな失敗が起こりました。さらに、私は盛り付けに関し、かなり楽天的に考えていたので、皿が足りないうえ、狭い会社の給湯室で1人分を切り分けているうちに、形を崩してしまい、見栄えを悪くしてしまいました。昨年は11種類もつくったので、今年は数を絞ってていねいにやろうと考えていたのですが、昨年以上に失敗をしてしまいました。

1.乾杯のカクテル:テキーラカンパリツキー(-196℃)
  これは私がときどき行く阿佐ヶ谷のバー「レポサド」でよく飲むテキーラ「エラドゥーラ」にカンパリとライムを加え、ソーダ水で割る。これをビーカーに注ぎ、液体窒素で凍らせたチェリーとマドラーとして同じく凍らせたキュウリを添える。。。はずでした。「乾杯」と「カンパリ」と掛けていて悦に入っていたのですが、肝心のカンパリを家に置き忘れてしまいました。さらに、刻んであったライムも入れ忘れ、「リッキー」でなくなってしまいました。しかし、皆さんはそんなことに気付かず、液体窒素に驚き、楽しく飲んでいただけたのが救いでした。

frozenCherry
-196℃の液体窒素で凍らせたチェリーときゅうりです。

2.鶏レバーのパテ
  これはつくるたびに上手になります。以前はいろんな調味料で味をごまかすというズルをしていたのですが、今年は素材の味で勝負しようと決めました。伊勢丹などで鶏レバーを買うと、きれいなレバーだけを出してくれるのですが、ほとんどの店ではハツがついたレバーを出されます。レバーとハツは薄い膜というか筋のようなものでつながっていて、これがレバーの内部まで入り込んでいます。まずはハツとともにこれを丁寧に取り除いていきます。以前はこれがいい加減でしたが、大切な処理であると気づきました。この作業をしこしこやっていると、阿佐ヶ谷の鳥久のハツとレバーは、きれいに処理されているなぁと感激してしまいます。レバーパテの味の決め手は、旨味を引き出し、臭みを消すことにあると思いますが、まったく臭みがなければ意味がなくなってしまうようにも感じます。そこのさじ加減が難しいのではないかと勘ぐっています。炒めるときにワインなどを加えますが、日本酒の方がいいのかもしれません。また臭み消しに当たり前のようにハーブ類を入れますが、これも再検討する必要があるような気がします。

pate

3.鶏レバーのプディング
  これはレバーの下処理をパテと同様にし、卵を加え、溶かしバターを加えフードプロセッサーで乳化させるというものです。乳化した後は、オーブンで焼きます。プリント同様になめらかさが命ですので、パテ以上に筋などはあらかじめ取っておき、乳化後はていねいに裏漉しします。今回もおいしくできました。不思議なのは、レバーの独特の臭いがパテ以上に感じられることで、レバーが苦手な人には敬遠されるかもしれません。甘みを強調することが有効かも。もしかしたら、トマトやポテト、あるいはカレーなどを加えたら、新たな料理になるのではないかと思います。

LeverPudding

4.ナス・青豆のポタージュ in トマトの冷製スープ
  赤く爽やかなトマトの冷製スープの真ん中にクリーミーなポタージュが入ります。昨年はナスのポタージュとトマトの冷製スープでしたが、青豆を加え、さらにホイップクリームで少し盛り上がるくらいにしたいと画策しましたが。。意外と粘度が出ないで、トマトとポタージュの境界がぼやけてしまいました。トマトのスープは裏ごしするほど赤さが鮮やかになるのと、ナスと青豆のポタージュも裏ごしするほどなめらかな感触になります。また、粘度とクリーミー感を向上させるために生クリームを角が立つほどホイップしてから加えました。この作業で指と手首を痛めてしまいました。青豆のゆで方が足りず、フードプロセッサーに入れても、裏ごししてもざらつきが取れず、その点マイナスでした。でも、このスープは見ただけでもおいしそうで、実際すごくおいしく、好評でした。

Tomatoes Eggplant

ColdSoup

5.サーモンのムース
  これは仕事的には大失敗、逸脱でした。なんと全量の3割近くを占める牛乳を入れ忘れたのです。おかげでムースのふわっとした感じがまったくなくなり、かまぼこのような触感になってしまいました。あいだに生のサーモンのほか、別々にゆでたグリーンアスパラとエビ、青豆を入れるという手の込みようだったのに。しかし、恐る恐る食べてみたら、なんといい味ではありませんか。しらーっとしてお出ししてしまいました。付け合わせにニンニクを効かせたオーロラソースを添えました。

6.鮎のテリーヌ
  私は乳化は専門ですが、包丁さばきには難があるので、鮎をさばくことがまず大変でした。しかし、「夏 ― 鮎 ― テリーヌ!」という三段論法が頭の中でできあがってしまっていたので、何としてもつくってみたかったのです。つなぎには卵白とホタテをつかいました。生クリームをホイップし、加え、オーブンで焼いたあとふわふわ感がでるようにしました。付け合わせにパセリと蓼を使ったアイオリソースを添えました。かなりおいしいものができたと思います。テリーヌ型で2個つくったのですが、1個は自宅の冷蔵庫の中で20㎝ほど落とし、会社でも崩してしまい、盛り付けが格好悪くなってしまったのが残念でした。

AyuTerrine

7.赤ピーマンのムース
  この料理はフレンチの最高峰とも言われる三田の「コー・トドール」の前菜として有名なものです。私は以前コート・ドールに伺ったとき、斉須シェフのかいた『十皿の料理』という本を持って行ったのですが、サインを頼むとシェフは厨房の方に行ってしまい、なかなか戻ってきませんでした。戻ってくると、写真にあるような言葉がありました。

BookCoteDor

コートドールは1日に4回も掃除を行うとのことで、斉須シェフは「掃除は宝の山」と言っています。赤ピーマンのムースのレシピはこの『十皿の料理』にも載っていますが、なかなかこの通りにやると素人にはうまくできません。ちょっとだけゼラチンを使いましたが、おいしいムースができました。でも、これも適当な盛り付け皿がなく、カッコ悪くしてしまいました。

RedPimentOven VoiledRedPiment
 オーブンで焼き、冷水につけて皮を剥きます。

RedPimentMousse

 ちなみに下は先日コート・ドールでいただいたムースです。気品が感じられますねぇ。

CoteDor_Mousse

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  以上のように、私自身は反省材料満載の花火大会になってしまいました。夜中に眠気に勝てず、寝てしまい、ますますスケジュールが苦しくなってしまうこともありました。「九仭の功を一簣に虧く」という言葉がありますが、つめの甘さだけでなく、正確なスケジュール作り、個々の段取り、平常心、精神力をもっと身につけなくてはならないと思いました。
現在弊社のもっとも大きな問題は、欠品の多さです。それは毎月何万本も出る製品から月に数十本しか出ない製品を、どのようなバランスでつくっていくべきかということをとことん考えきれず、見切り発車してしまい、いつも追われているような状況に陥っているのです。お客様にしてみれば、何万本でる製品だろうが、月数十本しか出ない製品だろうが、同じように自分でお金を出して買ったものです。一期一会の出会いを良くするも悪くするも私たち次第です。料理も仕事も通じるところがありますね。

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